零陵香
さて、手持ちの花系の香りのお線香はすべて紹介したと思うので、これから香木、漢方系中心の内容になってくるかと思います(新しい花系線香を購入次第紹介するとは思いますが)
本日は香明堂から零陵香をご紹介します。
こちらのお線香は福井県にある日本曹洞宗の大本山「永平寺」で使われているお線香だそうです。
線香に入っていた説明書きにはプライドと誇りを持って線香を作られている気概を感じます。
原料については「家伝の秘法に加うるに原料の精選を怠らず、品質の向上に云々…」とあります。
何が入っているのかよく分からなかったので、ネットで販売店の紹介文をみると「白檀をはじめとする天然香料をふんだん使った、昔ながらの香りのお線香。」とありました。
直接香りを嗅いでみると…
薄いです。少し甘く漢方が入っている感じがしますが、かなり香りがほのかです。
鼻を近づけてスハスハすると、スーっとする仁丹のような漢方の香りを感じました。
線香の色は黄土色。
火のつき具合はライターで3秒。
煙は普通です。
香りは…
煙の香りが混じっています。素朴な感じです。
甘さと漢方系の香りと煙の香りがハーモニーを奏でているという感じです。
おばあちゃん家の蔵の香りというイメージです。
もしくは夏の墓参りのときに焚かれていそうです。
さらには木の根っこのようなイメージでもあります。
または栗系の木の実を熱したような香りです。
とにかく素朴で、人工的な香りは感じられません。
外で使用するには映えそうです。
芳香目的よりも、仏様に捧げるために作られた感じがします。
確かに昔ながらの素朴なお線香だな、と思いました。
線香の王道な感じです。
煙は隣の部屋までくることもなく、残り香もすっと消えました。
永平寺と同じお線香を使いたい方、人工的な香りよりも素朴なお線香を使いたい方にいいと思います。
~香りソムリエ風~
時は明治。蔵の中で収穫した米の籾取りをする母、藁を束ねる父、弟をおぶって子守をする少女。そんな農家の姿があった。